乳がんサバイバーの約20%が過剰な体重増加を経験する可能性がある
英語オリジナル版はこちら米国マサチューセッツ州ボストンで行われたEndocrine Societyの年次集会(ENDO 2024)で発表された研究によると、乳がんサバイバーのほぼ5人に1人が10%以上の体重増加を経験する可能性がある。
研究者らは、過剰な体重増加には多くの要因が関連していることを発見した。
研究で判明したのは、体重が10%以上増加した要因には、低体重、若年、がん診断時の進行がんの病期(ホルモン陽性乳がん、BRCA2遺伝子の変異、より高侵襲な乳房切除術、化学療法・内分泌療法の使用など)が含まれていた。
「乳がんの診断と治療後の体重増加は、乳がんサバイバーの共通の懸念であり、乳がん再発の危険因子である」と、米国フロリダ州ジャクソンビルにあるMayo Clinicの主任研究者Maria Daniela Hurtado Andrade氏(MD、PhD)は述べた。「体重増加は乳がんの再発リスクを高めるだけでなく、心血管疾患のリスクも高める。乳がんサバイバーにとって、心血管疾患は乳がんそのものに次ぐ死亡原因のトップである。」
本研究の目的は、どのような乳がんサバイバーが生存期間中に体重増加のリスクがあるかを明らかにすることであった。研究者らは、4,744名の乳がんサバイバーの登録データを用いて、乳がんと診断されてから6年間で体重が平均2ポンド増加したことを発見した。これはわずかな体重増加であったが、サバイバーの18%は6年後に体重が10%以上増加していることが判明した。
「われわれが発見した過剰な体重増加と関連がある変数は、本集団における体重増加の予測因子として使用できる可能性がある」と、Hurtado Andrade氏は述べた。「生存期間の早い段階でこれらの患者を特定することで、過剰な体重増加を防ぐ対策を講じることができ、乳がんや心血管疾患の転帰を改善できる。われわれの最大の目標は、乳がんサバイバーの健康的な長寿を促進することである。」