早期ホジキンリンパ腫患者は、がんよりも心血管疾患による死亡リスクが高いことが判明

リンパ系に発生するホジキンリンパ腫（HL）は、治療法の進歩により生存率が向上しているが、治療によって心疾患リスクが高まる可能性があることがわかっている。

American Cancer SocietyのCANCER誌オンライン版（Wiley社刊）に掲載された最新研究により、現在、早期HL患者は、がんよりも心血管疾患で死亡するリスクが高いことが明らかになった。

本多施設共同研究は、1983年から2015年の間にHLと診断された米国の小児および成人15,889例を対象とした。

「われわれは、心血管疾患が、HLサバイバーにおいて最も一般的な悪性腫瘍以外の長期合併症であり、治療後の死亡原因である可能性があるため、本研究を行った」と、シニアオーサーである中国広州Southern Medical UniversityのCaiwen Ou氏（MD, PhD）は述べた。

Ou教授らは、ステージIおよびステージIIの古典的HL患者において、追跡期間約60ヵ月および約120ヵ月後に、心血管疾患による死亡の割合が古典的HLによる死亡の割合を上回ることを発見した。

また、心血管疾患による死亡の累積発生率は、時間の経過とともにHLやその他のがんのそれを上回った。

ここ数十年の間に、古典的HLによる死亡リスクは急激に低下したが、古典的HL患者における心血管疾患死亡リスクは緩やかに低下するか、一部のグループでは横ばいにさえなっている。

また、解析の結果、ステージIまたはステージIIの古典的HL患者は、ほぼすべての追跡期間において、一般集団よりも心血管疾患による死亡のリスクが高いことが明らかになった。

「この結果は、古典的HLサバイバーにおける心血管疾患関連の死亡リスクを低減するために、より効果的な対策が必要であることを示している」と、共著者のWeijing Feng氏（MD, PhD）は述べている。