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がん患者は心臓保護薬の処方が低い傾向がある

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最新治療によるがんの生存率の上昇に伴って、がん患者およびがんサバイバーにおける心血管疾患(CVD)の発症率も上昇し、今やCVDは同集団における長期的に予防可能な死亡の主要原因となっている。

JACC: Cardio Oncology誌に発表されたリサーチレターによると、スタチン、ACE阻害薬、抗血小板薬などの心臓保護薬はCVDの一次および二次予防として使用されるが、がんの既往または現病歴のある患者では、がんでない患者に比べて使用頻度が低かった。

「がんおよびがん治療の既往歴はCVDのリスク増加と関連しており、公衆衛生上の重要性が高い問題である」と、本研究の上席著者であり、オーストラリアUniversity of Newcastle生物医学・薬学部のDoan TM Ngo博士は述べた。

「これらの患者の治療に関して、実践と政策のギャップがあることは明らかであり、腫瘍循環器学におけるガイドラインに沿った心保護療法を改善する戦略を開発することがきわめて重要である。」

研究者らは、2018年7月から2019年1月の間にJohn Hunter Hospitalの循環器科に入院した患者320例の記録を調査した。

患者は、がんの既往歴/現病歴あり、および、なしの2群に分けられた。

がん患者69例のうち、36%はがんと診断される前にCVDを発症しており、64%はがんと診断された後にCVDを発症した。

年齢、肥満度、性別、高血圧、糖尿病、高コレステロール、心房細動については、がん患者と非がん患者で有意差はなかった。

また、両群を比較した場合、心血管危険因子もほぼ同じであった。

がん患者は、非がん患者に比べ、抗血小板療法とスタチンの使用率が低かった。

がん患者はまた、心不全による入院率が高かった。

研究者らが入院時の心臓保護薬の処方を評価したところ、がん患者はまた、スタチンおよび抗血小板薬の処方が低かった。

研究者らによると、この結果は、“がん患者における修正可能な心血管危険因子の管理が、がんの既往のない患者と比較して最適ではない”ことを示唆している。

研究の限界として、交絡のリスクがあること、単一施設で実施された研究であることなどが挙げられる。

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